Cultural imperialism

日本のお役人さんたちが、昨今、アニメだ映画だとポピュラー文化に興味を示し始めたようです。昔に比べれは、破格に金額が、文化振興と言う名目で文化庁から、文化交易振興という名目で経済産業省から、助成金をくれたるようになりました。彼らのお目当ては、日本映画やテレビ番組、漫画やゲームが海外で消費されることにより、日本の文化的地位が国際的に上がり、日本風生活文物がおしゃれなもの、人々の憧れの的となり、それに併せて日本製品が売れるといいなあ、中国製品韓国製品より高いけど、日本製品はかっこいいから、それでも欲しいなあ、と世界の人々が思ってくれるようになる、と言うことらしいです。

つまり、いわゆる、文化帝国主義(Cultural Imperialism)丸出し。参照:Schiller(1989): http://www.amazon.co.uk/exec/obidos/ASIN/0195067835/qid=1086985748/sr=1-4/ref=sr_1_8_4/202-3146262-2271026
Mattelart(1975): http://www.amazon.co.uk/exec/obidos/ASIN/0884770036/qid=1086985949/sr=1-8/ref=sr_1_8_8/202-3146262-2271026

文化帝国主義の議論というのは、もともとはアメリカの世界的な経済的な覇権に関するものです。戦後、特にアジア(日本を含む)、ラテン・アメリカ地域において、いわゆるコカ・コーラゼーション、ディズニフィケーションと言った造語に代表される、世界的な文化の単一化アメリカ化現象が起こりました。簡単にいうと、文化帝国主義論によれば、文化文物によって他国を植民地化しうる、経済的に牛耳ることができる、コカ・コーラやディズニーキャラクターの浸透は、アメリカ経済帝国主義(いわゆるソフト帝国主義)の陰謀である、と言う具合です。そこでアメリカを何でもお手本にする、日本の政府お役人それに経済界の人々が考えているのは、それ行け漫画だゲームだ、これが日本の文化力だと言うことらしいです。

でも、この文化帝国主義理論、そんなソフトに他国他文化を植民地化するなんて、そう簡単なことではないことがすでに実証されている理論です。

なんか勘違いされてるようですね。