Cool Japan ????

クール・ジャパン???

蒸し暑い日本において、クールジャパンもないだろうとは思うのだが、クールの発祥地イギリス、Cool Britain、においてすら今年すでに摂氏35度を記録した。異常気象だ、何だってあり得る、と言われれば、確かにその通り。

今年のカンヌ映画祭のインターナショナル・ビレッジに‘ジャパン・パピリオン’が初めてお目見えした。国際映画祭というのは、National cultureを反映した、National fillmsの品評会及び商品展示会であると言う理解が、ここ十年急速に広まったように思われる。ちなみに、韓国は90年代から、コリアン・パビリオンを出店してきた。

日本では“映像”に対する文化庁助成金は本年度から一気に20倍近くに増額され、総額30億円強になった。(とはいえ、イギリスのFILM Counsilの助成金はメインの3つのファンド分だけでも50億を越えているので、ヨーロッパの基準から言うと大した金額ではないが。)はたしてこれらの事象を持ってして、日本の政府がアニメ・映画等のポピュラー文化物の海外輸出促進、文化事業促進に対し、本気になって乗り出した、と理解してもよいのだろうか? 

どうもそうとは、思えない。今回の映像文化事業助成金増額の裏にはとても蒸し暑いアジア的理由があるようだ。映像業界の事情に関して言えば、韓国映画産業の成功に対する一部日本の文化通算官僚の対抗心が、今回の急激な予算急増を実現したようです。どうも、昨今の、韓国映画界の好調ぶりが日本の官僚の尻に火をつけたらしい。昨年、カンヌ映画祭に事情視察にやってきた文化庁のお役人たちにとっては、“確かにコリアン・パビリオンがあって、ジャパン・パビリオンがないのはねえ。”と言うことで、今年からの出店を決めたそうです。

あんまり、かっこよくありません。

結局のところ日本の文化政策は、近隣の状況に対する反動的なもので、何ら実質的な戦略を持ったものではなさそうです。それでも僕としては、どうせ無駄金使うなら、文化事業に使ってくれた方が、ミサイル防衛に使うよりはよっぽどよいとは、思っています。